自分の趣味には造詣が深くても、一般的に普通と思われること(世間の常識)に疎い人は多い。その人の趣味が世間ではマイナーな、マニアックな場合ほど、その人は世間に無関心で時代の流れについていけていない傾向が高くなる気がする。
それは全く悪いことではないし、珍しいことでもないが、それでいいのか不安を覚えることはないだろうか。例えば、あれだけ社会現象にもなったAKB48や乃木坂46のことをほとんど全く知らないまま生きていていいのだろうか。
「AKB48みたいな◯◯◯48とつくアイドルグループがあるのは何となく知ってるけど…」
「そもそも48だったかな?46だったかな?」
「◯◯坂って色々あって何が何だか分からない!」
今回はAKB48のような「48グループ」と乃木坂46のような「坂道シリーズ」について、“ほとんど全く知らない” という超超超初心者向けに、基礎の基礎の基礎の部分だけを説明する。
AKB48グループ
AKB48は国民的アイドルグループだが、「AKB48グループ」となるとよく分かっていない人は多いだろう。

AKB48グループの「超」基礎知識
- AKB48グループは、秋元康(あきもと やすし)氏が総合プロデュースを手掛けるAKB48、および姉妹グループから構成される女性アイドルグループの総称、ブランド名だ。
- 「AKB48」の読みは「エーケービーフォーティーエイト」。48は「よんじゅうはち」ではない。
- AKB48には「会いに行けるアイドル」という基本コンセプトが存在し、それを踏襲した姉妹グループによってAKB48グループは形成されている。
- それぞれのグループが専用ないし共用の常設劇場を有し「劇場公演」を実施するほか、販促イベントとして各地で握手会や写真会を開催するなど、共通したフォーマットでの活動を行っている。
- 日本国内外の各地域を拠点としており、ローカルアイドルの側面を持つ。
- アジア各地でも姉妹グループが発足している。
- AKB48グループは、国内にAKB48、SKE48、NMB48、HKT48、NGT48、STU48の6グループ、海外にJKT48、BNK48、MNL48、AKB48 TeamSH、AKB48 TeamTP、CGM48、KLP48の7グループ、国内外で計13グループが存在している。
- 「AKB48グループ」の同義の名称としてAKBグループ、48グループがある。さらに省略してAKB48G、AKBG、48G、単に48と表現されることもある。またAKB48プロジェクト、AKB48ファミリーと表現されることもある。

AKB48
2005年に東京・秋葉原を拠点に活動を開始した、AKB48グループにおいて最初に発足したグループ。
→ 公式サイト
→ AKB48の歴史
- グループ最大のコンセプトは、「会いに行けるアイドル」。ファンが日常的に会える存在として、秋葉原の専用劇場で公演を行なっている。
- 劇場でのパフォーマンスを通じて、メンバーの成長をファンが応援し、その成長過程を共有するスタイルが支持を集めている。
- 大所帯グループ:オーディションで選ばれた多くのメンバーが在籍しており、チーム制や研究生制度などを通して活動している。一時期はチームA・K・B・4・8などのチームに分かれていた。
- かつてはファンの投票でシングルの選抜メンバーを決める「選抜総選挙」や、「じゃんけん大会」といった、ファン参加型のユニークな企画でも注目を集めた。
- CDが売れない時代にミリオンセラーを連発し、日本の音楽業界に大きな影響を与えた。
SKE48
2008年に誕生、名古屋市・栄に有する専用劇場を拠点として中京圏を中心に活動している。
→ 公式サイト
NMB48
2010年に誕生、大阪市・難波にある専用劇場「NMB48劇場」を拠点とし近畿地方を中心に活動するAKB48グループのひとつ。
→ 公式サイト
HKT48
2011年に誕生、福岡市を拠点とし北部九州を中心に活動するグループ。
→ 公式サイト
NGT48
2015年に誕生した、新潟市を拠点とするグループ。
→ 公式サイト
STU48
国内6番目のAKB48姉妹グループとして2017年に誕生。「瀬戸内」エリアを本拠地とし、「1つの海、7つの県」を中心に活動するAKB48グループ初の広域アイドルグループ。
→ 公式サイト
坂道シリーズ
数年前からよく目にするようになった◯◯坂、実は2011年結成の乃木坂46から始まっている。複数のグループが存在し、途中で改名しているケースもあるので、追えていない人は多いだろう。

坂道シリーズの「超」基礎知識
- 坂道シリーズは、AKB48グループ同様、秋元康氏がプロデュースする乃木坂46、櫻坂46、日向坂46、吉本坂46ら一連のアイドルグループおよび各プロジェクトの総称だ。メディアなどでは坂道グループと称されることもあるが、レーベル会社で運営元であるソニー・ミュージックの公式サイトは坂道シリーズと称している。
- AKB48の公式ライバルとして「乃木坂46」が誕生し、乃木坂46の姉妹グループとして「欅坂46」が誕生、欅坂46のアンダーグループだった「けやき坂46(ひらがなけやき)」が独立して日向坂46が誕生した。
乃木坂46(2011年結成)
欅坂46(2015年結成) → 櫻坂46(2020年改名)
けやき坂46(2015年結成) → 日向坂46(2019年改名)
吉本坂46(2018年結成、2022年活動休止) - 吉本興業からの相談に応える形で結成された吉本坂46は、吉本興業所属のタレント・文化人を対象にした男女混成アイドルグループで、異色のプロジェクトであった。
- 坂道シリーズはAKB48グループとは直接的な繋がりは無く、秋元康氏が総合プロデューサーではあるが、実質的なプロデュースをしているのはソニーミュージックとされる。

各グループのコンセプト
乃木坂46、櫻坂46、日向坂46はグループのコンセプト、活動の方向性、運営のスタイルが異なり、それらがグループのイメージにつながっている。
乃木坂46「優等生な長女」
個々のメンバーの成長と総合的な力でグループの発展を目指す、清楚な美しさが特徴。
櫻坂46「クールな次女」
欅坂46時代は、若者が抱える「閉塞感からの解放」や「不条理な社会に対する反抗心」に焦点を当てた、危うさや強さを持った存在で、アイドルの常識を覆すような、あえて笑わないパフォーマンスでグループの世界観を表現した。欅坂46からの改名を経て櫻坂46では、個人の内面的な強さや表現力を重視したパフォーマンス力に重点を置いている。
日向坂46「元気いっぱいの末っ子」
「ハッピーオーラ」を掲げ、爽やかでポジティブなイメージを持ち、見ている人を幸せにするような存在を目指している。
乃木坂46
2011年にソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)と秋元康氏の合同プロデュースによる新たな女性アイドルグループとして企画され、結成に至った。背景には、AKB48は2006年からSMEグループのデフスターレコーズに所属していたが、2008年にキングレコードへ移籍した後にヒットし、ソニーミュージックに多大な影響を与えたことが挙げられている。結成時のメンバーにはモデルやアイドルなど多くの芸能活動経験者が名を連ねた。
→ 公式サイト
櫻坂46
2015年に結成し2020年までは「欅坂46」として活動、2020年に改名し「欅坂46」となった。欅坂46では「不動のセンター」として平手友梨奈さんがグループの中心で活躍し、デビューシングル「サイレントマジョリティー」から8thシングル「黒い羊」まで、連続してセンターポジションを務めた。欅坂46が櫻坂46へ改名した理由は、グループの象徴的存在だった平手友梨奈さんの脱退によるところが大きい。
欅坂46時代
櫻坂46時代
日向坂46
2015年に結成2019年までは「けやき坂46」名義で活動、2019年に「日向坂46」に改名、シングルデビュー。
→ 公式サイト
AKB48グループと坂道シリーズの現在
AKB48は2000年代後半から2010年代前半に絶大な人気を博したが、その後はファン層の高齢化や(坂道シリーズを含む)競合の増加により人気が低下傾向にある(※クオリティーが落ちているわけではない)。一方、坂道シリーズ(乃木坂46、櫻坂46、日向坂46など)は、AKB48がピークを過ぎた後に台頭し、若い女性層からも支持を得ることで人気を維持・拡大している。
AKB48グループや坂道シリーズ出身のアイドルで、現在はタレントとして活躍する人物も多い。前田敦子さん、大島優子さん、指原莉乃さん、渡辺麻友さん、宮脇咲良さん、向井地美音さん、長濱ねるさん、平手友梨奈さん、小林由依さんなど多数。
